100-百景-
2009-08-10T23:40:29+09:00
100scenes
横浜在住の大学生もなみの100個の大好きな場所を見つける旅
Excite Blog
石見銀山ロマンカフェ[27/100]
http://scenes.exblog.jp/9923991/
2009-08-10T23:39:00+09:00
2009-08-10T23:40:29+09:00
2009-06-30T00:40:39+09:00
100scenes
中国地方
そう聞かれて、その時わたしは「熊野です」と答えたけれど。
きっと今ならば、「宅野の町です」と、そう答えるだろう。
*
一昨年の誕生日。
いろんなタイミングが重なって、鳥取と島根に一人旅をしてきました。
もう2年近くも前のことなので記憶があいまいな部分が多々ありますが。
今回はその時のことを書いていこうと思います。
この話をすると、必ず「なんで島根!?」と言われるのですが。
色々と理由はあったけれど、それ以上に何か呼ばれるものがあったのだと思います。
他ではないくらい、得る物があった旅でした。
その中でも一番印象に残っているのが、この石見銀山ロマンカフェです。
なんとも無計画なことに、旅行前日まで宿泊先を決めていなかったわたしでしたが。ネットの海をさまよううちに何故かこの、古民家を改築したカフェの存在を知りました。
「古民家を改築したカフェってなんだかおしゃれだぞ」
「どうやら民泊もやっているらしい」
「夜はバーを独り占め?」
「んんっ!?これはなんだか面白そう!」
そう思ったわたしは意を決してホームページに書かれた連絡先に電話してみました。いきなり「明日泊めてください」っていうんだから無理かもなあ、なんて思っていたのですが、思った以上にあっさりと泊まってもいいよと言っていただき、宿泊先をここに決めたのでした。
*
最寄り駅は仁摩駅。
たどり着いたころにはもうあたりはうす暗くなっていました。
なんともありがたいことに、宿の方が車で迎えに来ていただきました。
(地図で見て、歩けるかなあと思って予約したんですけど、いざ行ってみると暗すぎてとても歩けそうな場所じゃなかったので、ほんとに助かりました)
そうしてたどり着いた石見銀山ロマンカフェ。
150年の歴史のある古民家の土間に、木の机と椅子が並んでいます。
机と椅子はかつて高校で使われていたものだとか。
古民家カフェっていうと、昔ながらの空間に今時のお洒落な家具が並んでいて…という雰囲気を想像していたのですが、なんだかここは少し違いました。
ありのままがそこにある感じ。
夜ご飯には、裏の庭で取れたという野菜と、近くの海でとれたという魚のから揚げをいただきました。
ほうれん草の味がすごく濃くておいしかったのを覚えています。
あと、魚もすごくおいしかった!
それと、自家製の干し柿もいただきました。これもまたおいしい。
それから、お風呂はどうする、という話になり。
近くの温泉津(と書いて“ゆのつ”と読む)まで連れてっていただくことに。
どうせなら、ということで一番歴史の古い元湯というお風呂に行くことになりました。
その歴史。なんと1300年!
これが、なんともすごかった…!
もう、とにかくお湯が熱くて、熱くて、全然まともに入れなかったという。
そして、飲むと体にいいとかなんとかいうので飲んでみたんですけど、これがまたすごく美味しくない!
塩気があって錆びてる感じだったと思うのですが、まあ、進んで飲みたい味ではありませんでした(すいません。)
そして、洗い場で体を洗うとかいう雰囲気もあまり感じられず。
ただひたすら入れないほど熱いお湯につかろうとチャレンジするばかりでした。
(ぬるいお湯というのもあるんですけど、確かそっちはすごくぬるかった気がします)
疲れは取れなかったかもしれないけど。
すごくいい経験が出来ました。伊豆や熱海の温泉では出来ない経験。
余談ですが。
温泉からの帰り道。
みんな体温が上がっているので、ひたすら軽自動車のガラスが曇り。
運転手が手でガラスをこすりながら運転するという、とても危険な帰り道となったのでした(笑)
カフェに戻ってきてからは、宿の方とお話をしながらビールをいただきました。
つまみは、薪ストーブであぶった銀杏とピーナッツ。
銀杏が、ものすっごく綺麗な翡翠色だったりして。
なんて贅沢!
あと、さつまいももいただいたりして、すごくおいしかったです。
なんだかこの時に話していてとても印象に残っていることは、
わたしは自分のことすら上手く説明できないんだなあということで。
何やってるの?何でそんなことやってるの?
と聞かれると、どうにも自分ですら釈然としない返事しかできなくて。
増してや、この時のわたしは学生として、あの学科に、あの研究室に所属していることに後ろめたさしか感じていなかったから余計にだったと思います。
このロマンカフェを経営しているNさんは、本当に自分の手で古民家に手を入れて、自分の手で稼いで、町を作って、おそらく自分の人生だけでなく、同じ町に住む人々の暮らしまでをも面白くしていこうとしている人で。
きっと目的もなくふらふらといろんなものを見て、それを自慢げに話す自分がさぞやちっぽけに見えただろうなあと思います。
けどね。
この時そう思ったけど、やっぱり強い芯をを持って生きるっていうのはすごく難しいよね。
1年半経って、自分の何かが変わっただろうかと問うてみると何も変わっていないや。と今思うのでした。
寝るときは、奥の部屋に引いた布団に電気毛布で眠りました。
何気に電気毛布、初体験。
朝ご飯も手作りのご飯を出していただいて。
この時のチャパティにつけたハーブバターのおいしさが本当に神がかっていました!
口に入れた瞬間、香りがふわっと口の中に広がるんですよね。あの“ふわっ”っていう感覚は初めての感覚。
あとは、地元の山で取れたという柚子のジャムなどもいただきました。
そして、この日は石見銀山観光を予定していたので、ご厚意で銀山の方まで車で送っていただきました。
しかも、その途中では、銀山に関する謂れのある土地等も寄って説明していただき、本当に自分だけでは出来ない体験が出来たと感謝しています。
そしてこの写真の景色が、ロマンカフェのある宅野の町の景色。
小さな町だけれど、この町は本当にすごい古い歴史があって。
江戸時代の建物なんかが平気で残っているんです。
横浜生まれ、横浜育ちのわたしにはかなりの衝撃でした。
なんせ、横浜の歴史といったらほとんど明治からで、それ以前の歴史はほとんどないんですよね。
同じ日本なのに、なんだかものすごいカルチャーショックを受けました。
製鉄の伝承や、海辺を「かいへん」と呼んだりする等の独自の文化。
神話の時代から続く歴史。
都会とは違う価値観を持つだろう暮らし。
どれもがわたしにとって新鮮で、驚きでした。
銀山までついて、宿のNさんとはお別れしたのですが、今でも度々ロマンカフェのブログを覗かせていただいています。
その度にいつも考えさせられることがあって。
ああわたしは、普段どれだけ狭い視野の中で生きているんだろうなあ。
この旅での、
このロマンカフェとの出会いは、
わたしにとって価値観を揺るがすほどの大きな出会いとなったのでした。
島根を訪れることがないとしても、ぜひカフェロマンのホームページをいろんな人に見てみてほしいなあと思います。
参考
http://www.caferoman.com/]]>
鶴見線扇町の猫[26/100]
http://scenes.exblog.jp/9810078/
2009-06-02T23:27:00+09:00
2009-06-02T23:47:35+09:00
2009-06-02T23:28:01+09:00
100scenes
横浜
100景更新しないんですか?って後輩に言われたので、更新してみようと思います。
更新ペースが1年に1回か2回だと100まで行くのにあと50年はかかる計算なので(笑)、
もうちょっと頑張って100を目指してみようかなあと。
わたしがこのブログを始めた頃と今ではきっと、
大好きな場所というのは大きく変わってきていると、
そう思うんです。
それもあって更新しづらかったという気持ちもあるんですが、
考え方が変わっても、
それでも好きだという気持ちがあるのならひとまとめにしちゃっていいのかなあと思ったので、
変わったわたしと変わらないわたしが混ざり合ったわたしが好きな場所を、今回は紹介したいと思います。
それが、鶴見線扇町の猫。
鶴見線の駅を紹介するのは多分今回で3回目ですね。
今回は扇町を紹介します。
扇町駅は鶴見線本線の終着駅。
かなり昔にも1度か2度訪れたことはあったのですが、去年の秋ごろ、横浜トリエンナーレ応援企画ということで「駅2008 鶴見線に降りたアート達展」という展示がやっているということで久し振りに行ってみました。
この展示自体は正直それほど魅力を感じるものではなかったのですが、
こういった展示があることで久し振りに鶴見線に乗る機会ができたというのはすごく良かったです。
多分企画した人たちも鶴見線が大好きなんだろうな。
高校の時の友人と4人で行ったのですが、とある友人同士は「会ったのが数年ぶり」とかいう軽い同窓会状態で。
「鶴見線乗ろう!」で集まれる自分達って全然変わってないなあって思って、少し嬉しくなりました。
展示が行われていたのは鶴見駅、国道駅、浅野駅、海芝浦駅、扇町駅の5駅で、わたし達は国道駅→浅野駅→扇町駅→海芝浦駅→鶴見駅という順番でまわりました。
それで久し振りに行った扇町駅。
降り立ってみると、何やら駅舎の影に水槽が。
(水槽と言っても、正確に表現するのならものすごいでかい洗面器、みたいな感じです)
中には亀がいたんですけど、
そのまわりには、猫がたくさん…!!!
結構ちっちゃい猫もいて、本当に可愛い。
その中でも群を抜いていたのが、
植 木 鉢 猫 ! ! !
このすっぽりとしたはまり具合!
あまりにも可愛すぎる…!!!!!
思わず写真を撮りまくり、親にメールしてしまいました。
わたし、親にメールすることなんてめったにないのに。
次に行った時にこの植木鉢猫に会える確率がどれくらいなのかは分かりませんが。
期待をかけて行ってみる価値はあるだけの可愛さです!
あ、ちなみに。
扇町駅周辺は、鶴見線の中でもかなりよく工場が見れる地域だと思うので、工場を見たいと思う方にもおススメです。
扇町駅から昭和駅に歩いて行くとこんなプラント系の施設も見れたり。そういう意味では散歩道としてもおススメです。
つまるところ、
きっと昔のわたしは、「景色」に出会うために
(言ってみれば写真を撮るために)
出かけていたのだと思うんですが、
最近はそうでもないみたいです。
鶴見線と言う原点と、
もう二度と出会えるか分からない猫との出会いという、
2つが混ざり合った「鶴見線扇町の猫」をお送りしました。
鶴見線扇町駅(地図)
JR鶴見線本線終点]]>
シーバス[25/100]
http://scenes.exblog.jp/8161834/
2008-06-25T01:12:00+09:00
2008-06-25T01:13:55+09:00
2008-06-25T01:13:05+09:00
100scenes
横浜
相変わらず驚くほど久しぶりの投稿ですが。
期待を裏切って行こうかな、という気持ちで今回はシーバスを取り上げてみます。
シーバスというのは、横浜駅東口と山下公園を結ぶ観光用の水上バスのこと。
そごうから歩いてすぐのベイクオーターの建物の中に発券所があります。
ベイクオーターが出来たということでかなりアクセスしやすくなりました。
以前からポートサイド公園に行った際には、よくシーバスに乗る人に手を振って遊んでいたのですが、実際に乗ったのは昨年が初めてでした。
赤レンガ倉庫まで580円。
以前はこれを高いと感じて全く乗ろうという気が起こらなかったのですが、わたしも大人になったということでしょうか。
580円??安いじゃん!余裕!!
そういうテンションで乗って来ました。
観光用の遊覧船ということでそれほど期待はしていなかったのですが。
これがまた、乗ってみると想像以上に楽しいのです。
いつも見ている景色も、海上から見るとちょっと違った様子で。
シーバスの航路には思い出深いところも多いから、「あ、あそこで昔●●したよね!」なんて思い出に浸ったりもして。
何よりも思ったよりも海面が近いと言うのがすごく不思議な感覚でした。
横浜駅から歩いてすぐのところから乗れるのに、ちょっとした旅行気分。
降りた先で観光を楽しめるというのもまた良いところ。
電車で行くよりも遥かに便利な場所に降ろしてくれます。
広いところに行きたい。日常から解放されたい。
そんな気分の時、気軽に海に出てみるのはいかがですか?
潮風に吹かれながら、いつもとはちょっと趣の変わった横浜の景色を眺めてみるのも良いかと思います。
参考:横浜クルージング]]>
英連邦戦没者墓地[24/100]
http://scenes.exblog.jp/6672688/
2007-12-03T14:38:36+09:00
2007-12-03T14:38:36+09:00
2007-12-03T14:38:36+09:00
100scenes
横浜
第二次大戦中に、捕虜として日本に連れてこられ、日本にてその人生を終えた英連邦諸国の人々の墓地。
それがこの英連邦戦没者墓地です。
横浜市保土ヶ谷区の南端の丘の上で静かにひっそりと存在しています。
入り口の門からして、とてもヨーロッパらしい雰囲気が漂ってて、さらに中に入ると、ここが日本であることを忘れてしまうような、そんな場所です。
綺麗に整えられた芝生の上に並ぶたくさんのプレート。
日本のお墓とは当然雰囲気が違いますが、その、同じものが綺麗に整然と並ぶ様子は、山手の外人墓地とも全然違う雰囲気です。
整えられた芝生はもちろんですが、墓地内全域に植えられている木々がとても綺麗で。
何種類かの木が整然と並んでいるのではなく、色んな種類の木がバラバラに、だけどきちんと綺麗に見えるように植えられているんですね。
特に紅葉のシーズンは素敵です。
大きな木が黄色く染まったり、赤く染まったり、そしてそれを包む様々な木々。
あぁ、木って、こんなに綺麗なんだな。と思わせてくれます。
たくさん並ぶ墓碑には、1つ1つ名前が刻まれています。
そして、それぞれに、名前だけではなく、死んだときの年齢、家族からのメッセージが書かれていて。
それを見ると、当たり前のことではあるけれど、「この1つの墓碑には1人の人が眠っているのだな」ということを改めて実感します。
小学校や中学校の歴史の教科書の中の占領だとか捕虜だとかという言葉は、歴史の中のひとつの出来事として、さらりと流すように語られているけれど。
この英連邦墓地は、その、教科書でたった数行で書かれてしまうような出来事が、1人1人、名前を持った人間として存在していたという事実に気づかせてくれました。
自分と同じくらいの歳の人が、遠い日本に連れてこられて死んだという事実、その事実と向かい合った家族という事実。
そして、今、こうやって綺麗に整えられた静かな庭園の中で穏やかに眠っているという事実。
ただ綺麗である、というだけではなく、歴史と言うものを肌で感じさせてくれる、とても貴重な場所だと思います。
英連邦戦没者墓地(地図)
JR保土ヶ谷駅からバス 「児童遊園地入り口」下車]]>
和泉川[23/100]
http://scenes.exblog.jp/6672348/
2007-12-03T13:02:00+09:00
2007-12-03T13:45:21+09:00
2007-12-03T13:02:37+09:00
100scenes
横浜
今回紹介するのは、横浜市の西部を縦に流れる2級河川、和泉川。
駅で言うと、相鉄線の三ツ境駅やいずみ中央駅の近くを流れる川です。
横浜で生まれ育ったわたしにとって、身近な川というのは、コンクリートに覆われた、ただ水を流すための装置でした。
ともすると、ゴミを捨てる汚いところ、入ってはいけないところ、というイメージすらあったほど。
(自宅から歩いてすぐのとこにある細い川は、いつも暗くて、自転車や、自動車の部品などの産業廃棄物が捨ててあるという川だったので)
もちろん、丹沢の渓流を見たこともあったし、相模川の下流の幅広い流れを見たことはありましたが。
それは同じ川とは言っても、身近ではない、別次元の話。
ともかく、生活に密着している川というのは、とても“遊ぶ”というイメージではなかったのです。
しかし、同じ横浜市にも、気軽に遊びに行ける身近な川というのがあるんですね。
その1つが、和泉川なのです。
実は、和泉川というのは、その上流(瀬谷区)がふるさとの川整備事業のモデル地区に選ばれ、大規模な環境整備事業が行われて、そのデザインや周辺の活動が賞を取ったりもしている、実はちょっと有名な川だったりします。
そのモデル地区として整備された場所に、実際に行ってみると、きっと「ここって本当に横浜?」って思うはず。
川もその周りも緑に溢れて、周りの家も、なんだか川に沿うように、自然と馴染んでいるのです。
川沿いを歩く人も多くて、大体いつでも虫や川の中の生き物をとって遊ぶ子供の姿を見ることができます。
もし、自分が小さなときも、こんな川が近くにあったら、ちょっとは違った価値観を持っていたのかもしれないな。と、羨ましくなってしまうくらい素敵なところ。
ただ川やその周りに木を植えたというだけではなく、周りの自然と一体となった川空間は、本当に歩いていて気持ちのよいところです。
歩道がコンクリートで舗装されているのではなく、“土”っていうところがまた歩いていて心地よいんですね。
都会の中って、なかなか土の上を歩くこと、ないですよね?
ちょっと自然に触れたいなぁ、と思ったとき、気軽に歩いてみるのにおススメです。
また、和泉川と境川の合流する地点には、大規模なビオトープも作られている途中で。(県立境川遊水地公園)
なんだかわたしはそのあまりの広大さに驚いてしまったのですが…
これからどのようになっていくのか楽しみです。
和泉川(地図)
相鉄線三ツ境駅・いずみ野駅・いずみ中央駅から徒歩
(三ツ境駅で降りて、川沿いを下って歩くのがおススメです。宮沢遊水地を過ぎるとバス通りに出るので、バスで近くの駅まで行くこともできるので。
いずみ中央駅前には地蔵原の水辺あり。
県立境川遊水地公園には湘南台駅が近いです。)]]>
陣ヶ下渓谷[22/100]
http://scenes.exblog.jp/4318203/
2006-12-06T22:49:00+09:00
2007-06-07T10:38:08+09:00
2006-12-06T22:49:07+09:00
100scenes
横浜
横浜市唯一の渓谷。
それが陣ヶ下渓谷です。
横浜の街の中にあるということがまるで嘘のような。
自分のいつも通っている道のすぐ近くにあるというのがまるで嘘のような。
緑の森につつまれて、澄んだ水のせせらぎの音が響いている。
そんな"異界"のような場所がこの陣ヶ下渓谷です。
もちろん、こんな街中にこんな自然が残っているというのは大きな驚きで、それだけで感動的ではあるのですが、この場所のすごいところは「自然が残されている」という部分だけではなかったのです。
この渓谷の一部は環状2号線の高架の真下にあるのですが。
その高架のデザインがなんとも素敵なのです。
木と馴染むように曲線で出来た橋脚で。
高架自体の底が曲線を描いていて、その曲線と橋脚が自然になめらかな曲線を描いてつながっています。
それはどこかきのこを思わせるようであるし、垂直に伸びる杉の姿を模したもののようにも思えて。
実はこの高架、土木学会デザイン賞で最優秀賞に選ばれているのだとか。
そんな予備知識があったので、実際に見てすごいと思っただけなのかもしれないけれど…
それでもやっぱり、この景色は美しいと思うのでした。
森の中に垂直に伸びる白い柱。
何本も伸びる白い柱。
それはなんだか古代の神殿のようで。
まるで神話の世界に、もしくは見ることのない未来の世界に来てしまったかのように思える、他の場所では見ることの出来ない不思議で、神秘にすら思える世界。
高架は2本に分かれていて、その隙間を杉の木が伸びています。
実はこの隙間にある杉はちょっと日照不足なのか、下のほうの葉が少なくなってしまってかわいそうでもあったのですが。
でも、この杉たちがより高架との一体感を生んでいて良いと思いました。
橋脚の下の方にはツタの絡み始めているものもありました。
あと10年、20年後、ひょっとすると、この橋脚が遥か昔からあったものであるかのように緑に包まれる日が来るのかもしれません。
それがいいのか悪いのかは分かりませんが、そんな陣ヶ下渓谷の姿も見てみたい気がします。
この写真は渓谷を出てすぐのところにある公園を写したものです。
これを見ると、渓谷内の橋脚がいかに力を入れて作られたものかがわかると思います。
どこかの田舎であれば、「自然を破壊するな」「自然を残そう」「自然を守ろう」と主張し続けることもできるかもしれませんが、都市にある横浜のような場所ではそれは難しいことだと思います。
そういった中で、この陣ヶ下渓谷の高架のように、積極的に自然との調和を考えるという考え方は見習っていかなければならないと思うのです。
「自然は守りたい、でも、開発を止めることはできない」
そういったときに、最善の方法は何か、良い環境を守るにはどうすればいいのかを考えていくことが必要だと思うのです。
これは、わたしがよく考えている「無思考な懐古主義に陥りたくない」という思いの延長線上にある考え方だと思うわけですが。
まぁ、難しいことは置いておくとしても。
純粋に美しい場所として感動し、そして色々なことを考えさせてくれた陣ヶ下渓谷。
自分のすぐ近くにあるとはいえ、偶然が重ならなければ尋ねることもなかったと思うので、そんな偶然に感謝したいと思いました。
陣ヶ下渓谷(地図)
相鉄線西谷駅または上星川駅より徒歩
参考:横浜市環境創造局 陣ヶ下渓谷公園]]>
豪徳寺[21/100]
http://scenes.exblog.jp/4281273/
2006-12-02T00:25:00+09:00
2007-12-03T13:45:07+09:00
2006-12-02T00:25:56+09:00
100scenes
東京
そんな日本人から愛されている招き猫発祥の地と呼ばれているのが豪徳寺です。
『彦根藩主井伊直孝が猫に手招かれるままに寺を訪れたのをきっかけに、その寺を菩提所とし、没落していた寺が復興した』という伝説によって、この豪徳寺は招き猫発祥の地と呼ばれているそうで…。
そもそも何故招き猫発祥の地、豪徳寺に興味を持ったのかと言えば、きっかけは京極夏彦の「百器徒然袋―風」でした。
その本の中の五徳猫というお話にこの豪徳寺が出てきて、本当にそんなお寺があるのか!?あるんだったらこれは行くしかない!と思い、実際に訪れてみた訳です。
わたしが色々な場所に行こうと思うきっかけはいろいろとありますが、小説がそのきっかけとなっていることはとてもよくあります。
実際にあるものを参考にして小説は書かれているわけですから、それを読んでその場所に行って、すごい!本当にあった!と言うのは少々間抜けな感じもしますが…
(地図を見ながら街を歩いて、地図と同じだ!と喜ぶのと同じような感覚ですね)
自分の好きな本に出てくる場所に行って、自分の目で確かめて、その話を思い出したりするというのはすごく楽しくて、そしてなんとも感動的なことだと思います。
最初はただその小説が好きだという気持ちしかなかったのに、実際に行ってみることで、その作品を離れて、その場所自体がわたしにとっての大切な場所になるというのはとても素敵なことだと思います。
そんな場所のひとつが、この豪徳寺です。
はじめは、とにかく「招き猫発祥の地!」「招き猫がいっぱいあるらしい!」と思いながら目指した訳ですが、実のところ、本当に存在しているのか半信半疑でした。
しかし、実際に行ってみると、小田急線の豪徳寺駅で降り、豪徳寺へ向かう途中の商店街は興奮の連続。
だって、どのお店にも招き猫がいるんですよ!
写真は銀行の前に並べられた招き猫です。
しかも、この招き猫、その小説、「風」に載っている写真のものと同じなんですよね。
お店によっては違う種類の招き猫を置いているところもありましたし、いろんな種類の招き猫を売っているお店もあり、兎にも角にも、招き猫だらけなのです。
さすがは発祥の地。気合の入り方が違います。
しばらく歩くと、商店街を抜けて、住宅地になってしまったので、またまた本当に豪徳寺はあるのか?と不安になってしまったのですが…ちゃんとありましたよ。豪徳寺。
せっかくここまで来たんだから、招き猫が売っていたら買おう!と意気込んで来たので、本当に売っていて感動しました。
大から小までいろんな大きさの招き猫が売って…
わたしは2番目に小さい500円のを買いました。
お手ごろ価格ですよね。
可愛くてとてもお気に入りです。
ちょっとふてぶてしい感じの表情がまた可愛いのです。
しかし、招き猫は手に入れたものの、なかなか「風」の写真で見た、大量の招き猫は見つけられず、ふらふら歩いたり小説を読み直したりしました。
(お寺の敷地内で、そのお寺が出てくる話を読むというのはなかなか恥ずかしい感じでしたが…)
確かにいろんなところで招き猫は見つけられるんだけど、あの大群が見たいんだよ!わたしは!
と思っていたところ、とうとう出会えたのです、招き猫の大群に。
それはもう数えようとも思わないほどの数でした。
人の身長ほどの棚に招き猫が敷き詰められていました。
案外その棚自体は地味だったのですが、猫の数で言えばすごい数だったと思います。
その棚があった場所にある建物が招福観音堂で、棚は猫塚と呼ぶそうです。
これだけ並ぶとなんだか怖いような気持ち悪いような感じもしますね。
豪徳寺は絵馬も全部招き猫で、しかもみんな同じ顔。
猫の供養塔(多分井伊直孝を招いた猫のものだと思うけど違うかも…)もあります。
この供養塔も小説に出ていたので一生懸命探しました。
地味でなかなか分かりにくい場所にありましたが、結果的には見つけられてよかったです。
この記事を書くために色々とネットで見ていたところ、招き猫の発祥の地が豪徳寺であるというのは、結果的にはあまり信憑性がない話らしいです。
ただの招き猫がいっぱいあって、招き猫を売っている寺というだけかもしれないけれど…
それでも、同じ顔をした猫の大群が迎えてくれるこの不思議なお寺がわたしはなんだかとても好きです。
招き猫で溢れる商店街も、帰り道に再び通ると、街の人たちの地元への愛情が感じられるようでなんだか嬉しくなりました。
豪徳寺(地図)
小田急線豪徳寺駅より徒歩
参考:招猫倶楽部(http://homepage1.nifty.com/manekinekoclub/)
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失われゆく景色
http://scenes.exblog.jp/4196223/
2006-11-16T23:07:00+09:00
2006-11-17T10:40:15+09:00
2006-11-16T23:00:06+09:00
100scenes
閑話休題
先日、この百景で紹介している「運河と船のある風景」「東高島駅」「瑞穂橋」がある東神奈川駅(どちらかというと仲木戸?)周辺の地域に久しぶりに遊びに行ってみました。
去年の9月に行って以来なので一年ぶり以上ですね。
この周辺の地域には以前から横浜駅東口から徒歩で行っていたのですが、最近は東口にベイクウォーターが出来たりして。
よりポートサイド地区やこの東神奈川駅周辺へのアクセスも距離は変わらずとも気分的には楽になったのではないかと思います。
しかし、久々に行ってみると、1年前とは明らかに変わってしまったたくさんの風景に驚かずにはいられませんでした。
まず、ポートサイド公園から見えるみなとみらい地区の景色が全然違いました。
以前は、ポートサイド公園というのはクイーンズスクエアやランドマークタワーなどなど、いかにもみなとみらい!という景色が見れる隠れスポットみたいな雰囲気だったのですが、今はみなとみらい地区(というより新高島駅周辺?)の新築や建設中の高層マンションが見えるばかり。
わたしの大好きな貨物線はまだ健在ですが、線路の近くには変なフットサルコートみたいなのも出来ていて(横浜みなとみらいスポーツパークとか言うらしい)。
なんだか向こう岸にサッカーをする人たちを見るというのは間抜けな感じがするなぁと思いました。
さらにポートサイド公園を越えて歩いていくと、写真の水辺の工場にたどりつくのですが。
昔は写真のように素敵な景色だったのに、いつのまにか、運河の向こうには高層マンションが建っていて。
久しぶりに写真でも撮ろうかと思ってわざわざこんな遠くまで足を運んだのに、写真を撮ろうという気にもなれず。
なんだかわたしの大切なものが奪われてしまったようで悲しくなってしまいました。
このブログでも紹介した「運河と船のある風景」も全然雰囲気が変わっていました。
昔はこの写真のように怪しげな船(?)が沈んでたり、管理されていないだろう船がいくつも浮かんでいたり、何故かぼろぼろの船には人が乗っていたりと、なんとも不思議で魅力的な場所だったのですが。
今では浮かんでいるのは小奇麗な船が一艘。
運河の横の歩道や柵はこんな場所に不釣合いなんじゃない?と思うくらい綺麗に舗装されていて。
本当にここって前と同じ場所なの?と、もはや浦島太郎状態でした。
そりゃあ、汚い不法に泊められている船なんてなくて、綺麗に整備されている方が良い環境といえるかもしれないけれど。
あの場所が好きだったわたしの気持ちはどうしたらいいのだろう。と本当に切ない、やるせない気持ちになってしまいました。
で、そのまままっすぐ海のほうに向かって歩いていったのですが。
なんと、驚いたことに、コンビニがあったんです。
行ったことのある人は分かると思いますが、あんな場所にコンビニがあるなんてまず考えられなかったんですよ。一年前までは。
近寄ってみると、なるほどそりゃあコンビニも出来るねと納得してしまいました。
その海に程近い場所には横浜コットンハーバーという大規模な高層住宅街ができていたのです。
まだ出来たばかりで、工事中の棟もありましたが、もう入居も始まっているようで。
今まで何もなかった場所にひとつの街が出来てしまうという事実になんだか唖然としてしまいました。
まだ完成していませんが、将来海側にウッドデッキなんかが出来るようなので、それはそれで瑞穂埠頭とかが眺められるかもしれないので完成したら行きたいとは思うのですが。
やっぱりなんだかわたしの大好きな景色が失われてしまったのはこの街のせいなのだと思うとなんとも言えず悲しい気持ちになりました。
何かを新しく作ったり、もしくは壊したりするということは、いつでも誰かの悲しくやるせない気持ちを内包しているものなのではないか?と思います。
開発の影には、いつだって密かに大切だと思っていたものを壊される人がいるんだと考えてみると、世の中が何も変わらずにそのままであればいいのにと思いました。
当然そんなことが無理だというのは分かっているのだけれど。
そう、考えてみれば、大好きな景色が生まれるスピードよりも失われるスピードの方が圧倒的に速いんですね。
だからこそ、少しでもアンテナを張り巡らせて、わたしはわたしの好きな場所を発見し続けたいと強く思いました。]]>
平沼駅跡[20/100]
http://scenes.exblog.jp/3988317/
2006-10-12T00:54:32+09:00
2006-10-12T00:54:32+09:00
2006-10-12T00:54:32+09:00
100scenes
横浜
それは高校3年生のときのことだったと思います。
図書館で借りた「東京再発見―土木遺産は語る」(伊東 孝 / 岩波新書)という本を読んだ後のことでした。
この本というのは、東京の街のさまざまな場所に残る土木遺産について書かれている本でとても面白い本なのですが、これを読んだわたしは、ある場所でふいに「?」と思ったのです。
そのある場所というのが平沼駅跡なのでした。
と書いてもなんのことだか分かりませんね。
なので詳しく説明してみましょう。
ふらふらと散歩を好きだった高校生のわたしは、相鉄線の平沼橋駅(横浜駅東口から出て暫く歩いたあたりですね)のあたりを歩いていて、写真のようなレンガの装飾が剥がれた場所を見つけました。
ここは電車の線路の橋脚。
その橋脚の構造材がレンガなのならば分かります。
でも、あくまでそのレンガはただの装飾で貼り付けてあるだけなのです。
もし、この場所が装飾する必要があるほど何か重要な場所ならば問題はなかったのです。
しかし、ここは本当になんでもない、横浜駅から少し離れた場所の京急線の橋脚なのです。
ということは、今は重要でなくても、昔は重要だったということなのでは?と、「東京再発見」を読んだわたしは閃きました。
ここに何かあったに違いない!と。
そこで家に帰ってネットで調べてみると、本当にこの場所には何かあったのだということが分かったんですよ。
そう、そこは、平沼駅跡だったわけです。
後に訪れてみれば、近くには写真のように駅の階段の跡のようなものがあるし。
考えてみれば京急に乗ったとき、横浜駅を出た後不思議な資材置き場のような場所があるのです。(要は、そこが駅のホームだったというわけですが)
この発見はわたしにとっては本当に感動でした。
街を歩くことで、今まで知らなかったことを知ることができる。
本の中のこと、東京の話、なんて思っていたことがわたしの住む街でも発見できる。
そんな感動をくれたのがこの平沼駅跡なのです。
この平沼駅跡付近には結構レンガの装飾跡が残っていて、かつての様子が窺えます。
高島町方面に行く道には古い看板建築のお店も何件か残っていますし。
あとは、ガストの入っている比較的新しいビルもレンガ造り風の装飾で、アーチのデザインが施してあって。
今はもう亡き平沼駅の残滓がまだこの近辺に残っている。
それがもう、わたしにとっては感動以外の何ものでもないのでした。
なんでもない場所だけれど、大好きな場所のひとつです。
平沼駅跡(地図)
横浜駅または相鉄線平沼橋駅から徒歩]]>
秋吉台[19/100]
http://scenes.exblog.jp/2588503/
2006-01-25T22:56:52+09:00
2006-01-25T22:56:52+09:00
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100scenes
中国地方
山口県にある秋吉台は、日本最大のカルスト台地として有名です。
どちらかというと、この地下にある、秋芳洞という鍾乳洞の方が有名なのかもしれないですが…
この秋吉台、訪れる前は、ただの石がいっぱいある場所?理科の授業に出てくるような場所でしょ?くらいにしか思っていませんでした。
でも、実際に行ってみると、息を呑むようなとても印象に残る場所でした。
普段わたしはこの100景でも紹介していて分かるように、自然にある景色よりは、人の手の介在したものに魅力を感じることが多くて。
それは町並みだったり建築物であったりするわけですが。
この秋吉台は、珍しく、本当にそこにある自然が美しいなぁと思えた場所でした。
最初に見て思ったことは、なんだかものすごく大きな墓場みたいだなぁと思いました。
しかも、イメージ的には中国のお墓。
何の根拠もないけどそんな印象を抱きました。
ずっと続く枯れた草の大地に、隆起したいくつもの白い石。
想像を超えたスケールの大きさに胸がたかなりました。
きっとこれが、夏の新緑の季節だったらこんなに印象には残らなかったかもしれないと思います。
枯れた草がすごく退廃的なイメージを与えていて。
そんな感じがすごく好きでした。
見ているだけで、すごく壮大なストーリーが思い浮かんでくるような場所です。]]>
宮島[18/100]
http://scenes.exblog.jp/2588377/
2006-01-25T22:39:58+09:00
2006-01-25T22:40:02+09:00
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100scenes
中国地方
世界遺産にも登録された厳島神社のある島、宮島。
わたしの好きな景色は、この宮島のお土産屋さんのある通りです。
厳島神社は今更わたしが説明する必要がないくらい有名で。
写真であれば誰でも一度は見たことがあるのではないかと思います。
写真や映像で見慣れすぎていたせいかもしれないけれど、宮島を訪れて一番印象に残ったのは、厳島神社よりもお土産屋さんのある通りの景色、この不思議な日よけのある通りでした。
アーケードの原始的な形なのかどうかは分かりませんが、日よけのために、お店の1階の屋根の高さ(場所によってはもう少し高かったですが)に膜がはってあって。
この低い天井に覆われているような景色はすごく不思議で、そして魅力的でした。
少し閉鎖的で暗い感じもするけれど、でも膜が白いからそんなに真っ暗にもならなくて。
写真で見るよりも実際に見たほうがもっと独特な雰囲気が味わえると思います。
宮島のお土産屋さんは古くからのものが多いようで、その1件1件も古い日本的なデザインで素敵なのですが、こんな日よけは今まで見たことなかったので本当に面白いなぁと思いました。
宮島は観光地なので、ここで普通に生活している人がいるなんていうことは行くまでは全く想像していなかったのですが、訪れてみると、意外に生活感があって。
有名な神社や、ガイドブックに載っている観光地よりも、人々が普通に生活している場や空気がとても羨ましく思いました。
横浜に生まれ育ったわたしとは全然違う生活をしているんだろうなぁ。
日よけのある通りだけでなく、路地を一本入ったようなところにも、ドキドキするような町並み、空気がありました。
宮島の厳島神社以外はほとんど写真などで紹介されているのは見たことがないのですが、こんなに魅力的なんだから、もっと紹介すればいいのになぁと思いました。
しゃもじもかきももみじまんじゅうも興味がないよ。という人でも、ぜひ一度訪れてみて欲しい場所です。]]>
東京カテドラル聖マリア大聖堂[17/100]
http://scenes.exblog.jp/2380000/
2005-12-16T23:45:53+09:00
2005-12-16T23:45:54+09:00
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100scenes
東京
丹下健三の設計による教会、カテドラル聖マリア大聖堂です。
どうでもいい話ですが、多分「カテドラル」って「大聖堂」っていう意味だと思うので、この名前はおかしい!と前々から思っていたりします。
ここは、なんだか「すごい!」と思ってしまう空間であったことが印象的です。
ある意味すごく怖くて。
圧倒されて。
でも、居心地が悪いわけではなかったような気がします。
全然クリスチャンではないのに、何故か敬虔な気持ちになってしまうような、そんな場所です。
丹下健三の建築は代々木体育館や都庁で結構馴染み深いと思うんですが、この東京カテドラルは今までのわたしの丹下健三のイメージとはだいぶ違うなぁと思いました。
ある種、丹下健三の建築って、ダサい。みたいなイメージがあったんですが(まぁ、建った時が古いんだから仕方ないけど)、ここは、なんてカッコいいんだろう!と思ってしまいました。
この建物は上空から見ると十字架のかたちをしているのですが、そんなかたちが中に入った時最大限に生かされているというのが本当に素晴らしいなぁと思いました。
倒れてくるような壁だからこそ、こんな面白い空間が生まれるんだろうなぁと。
なんだかすごく広いのに、洞窟の中にいるような気持ちになるんですよね。
ここを訪れた時、ずっとパイプオルガンの音が響いていて。
その音楽が余計わたしたちを敬虔な気持ちにさせたとは思うんですが、特別に意識はしていなかったんですよ。
ところが、そういえば音が聞こえなくなったなぁと思ったとき、階段を降りてくる人がいて。
どうもその人がずっとパイプオルガンを弾いていたみたいなんですよね。
まさか生演奏だなんて思ってもいなかったから、すごくビックリしたのを覚えています。
本当にここは非日常的な空間だなぁと思います。
まぁ、教会なんて普段生活していて行かないからある意味非日常的なのも当然なのかもしれないけれど。
普段わたしが非日常的だと感じるのは、「まるで昭和みたい」とか「ここにこんなものがあると思いもしなかった」ということによる場合が多いんですが。
このカテドラル聖マリア大聖堂は、その空間自体が非日常的で。
すごく興味深いところだと思います。
行ったことのない人に、ぜひ1度行ってみて欲しいと思う場所のひとつです。
東京カテドラル聖マリア大聖堂
http://www.tokyo.catholic.jp/
〒112-0014 東京都文京区関口3-16-15(地図)
開館時間 9:00~17:00
・東京メトロ有楽町線、「護国寺駅」南口(講談社側、出口6)より徒歩10分
・有楽町線、「江戸川橋駅」(出口1A)より徒歩15分]]>
鬼子母神[16/100]
http://scenes.exblog.jp/2364309/
2005-12-14T00:45:03+09:00
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100scenes
東京
池袋にある鬼子母神。
初めて訪れた時は、都電に乗っていきました。
なんだかここはすごく不思議なところで。
何故だかとても人に話しかけられます。
写真を撮っていれば話しかけられ。
ラムネを飲んでいれば話しかけられ。
そう思うと、東京の人って、やさしいなぁと思います。
横浜の人って少し冷たいかも。
あ、でも都電の運転手さんはあんまりやさしくなかったです。
すぐ出発しちゃうし。
初めて訪れた時、骨董市が開かれていました。
なんだかすごくレトロな雰囲気で。
鬼子母神に駄菓子屋さんに骨董市。
まるで現代ではないみたい。
ちょっと自分の住むところから離れた場所に来たからというのもあると思うけれど、まるで自分の住む世界とは違うところみたいでした。
簡単に言っちゃうと、まさに"昭和"という雰囲気で。
でも、その向こうには高層ビルが並んでいて。
やっぱり不思議な空間です。
わたしがここを訪れたのは京極夏彦の姑獲鳥の夏という小説を読んだからなんですよね。
この本がすごく大好きで。
なんだか怪しげに書かれている鬼子母神に、そして雑司が谷に訪れてみたくなって行きました。
実際に行ってみると、全然怪しげなところではなくて。
むしろ、明るくて、やさしい場所だったような気がします。
場所や空気はもちろんだけれど、出会った人までも印象に残っているのがこの鬼子母神です。
また雑司が谷霊園ももう少しゆっくり散歩しに行きたいものです。
鬼子母神(地図)
池袋東口より徒歩15分
都電荒川線「鬼子母神前」下車
※おそらく、夕方4時だか5時だかまでに行かないと門が閉まっていて入れません。]]>
自由学園 明日館[15/100]
http://scenes.exblog.jp/2346349/
2005-12-10T23:04:46+09:00
2005-12-10T23:04:46+09:00
2005-12-10T23:04:46+09:00
100scenes
東京
近代建築の巨匠とも言われるフランク・ロイド・ライトの設計により建設されたのがこの自由学園明日館です。
ライトは日本では特に帝国ホテルで有名ですね。
帝国ホテルの正面玄関は今も愛知県の明治村に保管されています。
わたしはライトの作品を写真などで見ても、すごく大好き!と思うわけではないのですが、その何とも言えない古臭さとか重厚感は結構好きだなぁと思ったりします。
(まぁ、もともと何故か日本にある近代建築の雰囲気自体が好きだから当然のこととも思えますが…)
そんな有名なライトの建築が堪能できるのがこの自由学園明日館です。
ここは訪れるとすごくほんわかできる素敵な場所だなぁと思うんですよね。
ここだけ時間がゆっくり流れているのではないかと思うほど。
喫茶つきの見学券があって、中で座ってお茶をすることができるのですが。
こんな素敵なところでお茶できるなんて、本当に幸せで、贅沢だなぁと思ったりもします。
自由学園というくらいなので当然ここは昔学校として使われていたわけです。
なんだかここを訪れると、環境が人を変えるというのは至極当然のことなんだろうなぁと思ってしまいます。
だって、もしわたしがここで小学校時代を過ごしたら…
今と全然違う自分がいるような気がしてなりません。
それくらい心おだやかになれる、綺麗で心地良いところなんですよね。
1年くらいこの自由学園は訪れていないのですが…
なんだか光の色がやさしくあたたかかったのを覚えています。
1年生の時、授業でこの自由学園を調べている人がいて。
ずっと行きたいなぁと思っていたので、自分も別の課題のためにここを訪れてみました。
そうしたら、課題の都合でもう一度行かなくてはならなくなって。
実際すごく遠くて、行くのが大変だったのに、何故かちょっと行けること自体に嬉しくなってしまいました。
それぐらい魅力あるところではないかと思います。
もしもっと家から近かったら、簡単にゆっくりと時間を過ごすために遊びに行けるのになぁと思います。
自由学園 明日館(地図)
池袋駅メトロポリタン口より徒歩7分
見学料:400円(喫茶付きは600円)
見学時間は施設利用状況によっても変わりますので明日館のサイトでご確認ください。
http://www.jiyu.jp/]]>
鎌倉の鳩屋敷[14/100]
http://scenes.exblog.jp/1884345/
2005-09-29T10:55:34+09:00
2005-09-29T10:59:14+09:00
2005-09-29T10:54:53+09:00
100scenes
神奈川
鎌倉駅のホームの大船よりのところから見える何やら怪しげな洋館。
それがこの鎌倉の鳩屋敷です。
これは誰でも見つけることができるような場所にあるので割と有名な廃墟の1つだと思います。
わたしも当然中に入ったことはないですが、中の写真はネットで見かけたことがないのでやっぱり入ることはできないようです。
(というか、どう考えても普通の人なら入ろうなんて考えない感じです。そして、噂によるとまだ人が住んでいるらしいので本当は廃墟じゃないのかも。)
鳩屋敷と呼ばれていることはつい最近知りました。
ずっとわたしは「鎌倉の洋館」と呼んでいたのですが、鎌倉に洋館は山のようにあるわけで。
だからこの鳩屋敷という名前をここでは採用してみました。
何故鳩屋敷と呼ばれるのかというと、たくさん鳩が住みついているからだと思います。
たくさんの鳩が、朽ちた穴の部分に住んでいます。
この鳩屋敷ですが、わたしがその存在に気づいたのはいつだったのか正確にはよく分かりません。
昔から縁があってよく鎌倉には行っていたのですが、そのときに車窓からかすかに見える何やら怪しげな建物。
その存在があることは知っていたのに、ずっと近づいて見たり、その存在を確かめたりはしませんでした。
何か気になっていたのに、知るのが怖かったのかもしれないです。もしかしたら。
初めてこの鳩屋敷に近づいてその存在を確かめたのは高校2年生の時だったと思います。
普段街を歩くのが普通になっている人にはあまりわからない感覚かもしれないけれど、中学生とか高校生くらいの子が、意味もなく街を歩くことって、何故かちょっと勇気がいることなんですよね。
どこか遊びに行くのでも、何か有名なものを見なきゃいけないという強迫観念があるというか。
でも、高2の頃、「廃墟好き」という自分で自分につけた肩書きと、カメラという道具がその勇気をくれたというか、強迫観念を打ち破ってくれました。
それでようやくこの鳩屋敷とちゃんと出会うことができたわけです。
実はここはわたしにとっては初めて写真を撮った廃墟だったりします。
ひとりでふらふらっとでかけて写真を撮ったんですよね。
近づいてみたら予想以上に綺麗な建物だなぁと思いました。
この頃「廃墟に入ってみたい!」っていう夢がすごいあったと思うんですけど、でも見るだけでも十分満足できたように思います。
鎌倉駅のすぐ近く、誰でも見ているはずのところにこんなものがあるというのが魅力のひとつのような気もしています。
この鳩屋敷ですが、この後何度か友達と一緒にまた写真を撮りに行ったりしました。
実はこのすぐ横が友達の塾だったんですよね。
で、いつだったかに、何故だか忘れたんですが近くにいた人に話を聞くことができました。
どうも、この建物は一般の方のお宅だったそうで。
その方に言わせると「インチキな建物」だとか。
「壊しちゃうんですか?」と伺ったところ、「そうだねぇ」などと言っていたのですが、しでも長く残っていて欲しいなぁと思いました。
ちょっと関係ない話なのですが、実はわたしはこの鳩屋敷の存在を最近まですっかり忘れ去っていたんですよね。
1つにはこの知らないおじさんの「壊しちゃうかも」という発言が勝手に脳内で「もう無くなった」と変換されていたからかもしれないのですが。
もう、本当にまったく忘れていて。
つい最近何かの拍子でネットでここの写真を見て、久々にその存在を思い出して、なんでこんな好きだったものを忘れていたんだろう?と思うと同時に、「あれ?ここってまだあるんだっけ?」と思いました。
記憶って不思議なものです。
今でも実は半信半疑なんですが、まだあるとは思います。鳩屋敷。
なんだかこの建物の紹介というより自分の思い出を振り返っているだけになってしまいましたが、観光地も近くて、簡単に見ることのできるとこなのでよかったら何かの際に見てもらえたらなぁと思います。
そう、観光地だからこそ、わざわざ見に行くのはちょっと難しいところだったりするんですけどね。
気持ち的な問題で。
本当はもっといろいろ書きたいなぁという気分になってしまったのですが、これ以上書いても自分の内へ内へと向かうものにしかならないのでこの辺で終わりにしておきます。
鎌倉の鳩屋敷(地図)
鎌倉駅より徒歩]]>
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