このブログで紹介する景色も20という区切りを迎えたところで少々閑話休題。
先日、この百景で紹介している「運河と船のある風景」「東高島駅」「瑞穂橋」がある東神奈川駅(どちらかというと仲木戸?)周辺の地域に久しぶりに遊びに行ってみました。
去年の9月に行って以来なので一年ぶり以上ですね。
この周辺の地域には以前から横浜駅東口から徒歩で行っていたのですが、最近は東口にベイクウォーターが出来たりして。
よりポートサイド地区やこの東神奈川駅周辺へのアクセスも距離は変わらずとも気分的には楽になったのではないかと思います。
しかし、久々に行ってみると、1年前とは明らかに変わってしまったたくさんの風景に驚かずにはいられませんでした。
まず、ポートサイド公園から見えるみなとみらい地区の景色が全然違いました。
以前は、ポートサイド公園というのはクイーンズスクエアやランドマークタワーなどなど、いかにもみなとみらい!という景色が見れる隠れスポットみたいな雰囲気だったのですが、今はみなとみらい地区(というより新高島駅周辺?)の新築や建設中の高層マンションが見えるばかり。
わたしの大好きな貨物線はまだ健在ですが、線路の近くには変なフットサルコートみたいなのも出来ていて(横浜みなとみらいスポーツパークとか言うらしい)。
なんだか向こう岸にサッカーをする人たちを見るというのは間抜けな感じがするなぁと思いました。
さらにポートサイド公園を越えて歩いていくと、写真の水辺の工場にたどりつくのですが。
昔は写真のように素敵な景色だったのに、いつのまにか、運河の向こうには高層マンションが建っていて。
久しぶりに写真でも撮ろうかと思ってわざわざこんな遠くまで足を運んだのに、写真を撮ろうという気にもなれず。
なんだかわたしの大切なものが奪われてしまったようで悲しくなってしまいました。
このブログでも紹介した「運河と船のある風景」も全然雰囲気が変わっていました。
昔はこの写真のように怪しげな船(?)が沈んでたり、管理されていないだろう船がいくつも浮かんでいたり、何故かぼろぼろの船には人が乗っていたりと、なんとも不思議で魅力的な場所だったのですが。
今では浮かんでいるのは小奇麗な船が一艘。
運河の横の歩道や柵はこんな場所に不釣合いなんじゃない?と思うくらい綺麗に舗装されていて。
本当にここって前と同じ場所なの?と、もはや浦島太郎状態でした。
そりゃあ、汚い不法に泊められている船なんてなくて、綺麗に整備されている方が良い環境といえるかもしれないけれど。
あの場所が好きだったわたしの気持ちはどうしたらいいのだろう。と本当に切ない、やるせない気持ちになってしまいました。
で、そのまままっすぐ海のほうに向かって歩いていったのですが。
なんと、驚いたことに、コンビニがあったんです。
行ったことのある人は分かると思いますが、あんな場所にコンビニがあるなんてまず考えられなかったんですよ。一年前までは。
近寄ってみると、なるほどそりゃあコンビニも出来るねと納得してしまいました。
その海に程近い場所には横浜コットンハーバーという大規模な高層住宅街ができていたのです。
まだ出来たばかりで、工事中の棟もありましたが、もう入居も始まっているようで。
今まで何もなかった場所にひとつの街が出来てしまうという事実になんだか唖然としてしまいました。
まだ完成していませんが、将来海側にウッドデッキなんかが出来るようなので、それはそれで瑞穂埠頭とかが眺められるかもしれないので完成したら行きたいとは思うのですが。
やっぱりなんだかわたしの大好きな景色が失われてしまったのはこの街のせいなのだと思うとなんとも言えず悲しい気持ちになりました。
何かを新しく作ったり、もしくは壊したりするということは、いつでも誰かの悲しくやるせない気持ちを内包しているものなのではないか?と思います。
開発の影には、いつだって密かに大切だと思っていたものを壊される人がいるんだと考えてみると、世の中が何も変わらずにそのままであればいいのにと思いました。
当然そんなことが無理だというのは分かっているのだけれど。
そう、考えてみれば、大好きな景色が生まれるスピードよりも失われるスピードの方が圧倒的に速いんですね。
だからこそ、少しでもアンテナを張り巡らせて、わたしはわたしの好きな場所を発見し続けたいと強く思いました。